2015年04月09日

アートみて歩き パラソフィア(2)

さて、今回京都市美術館で見逃せないのは、
建築としてのおもしろさを十二分に表現している点です。
たてものレポートをお届けします。


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普段見られない地下室が、展示会場として公開されているのが、近代建築ファンにはたまらない。

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もともと下足室(荷物預かり・クローク)としての場所だったようだが、
進駐軍に使われていた時期の名残をドアに見つけ、それがまるで作品に匹敵するくらいの強さで迫ってくる。

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京都市美術館のアーカイブスとなる地下空間と、作品展示空間と2カ所あるのでご注意を。

特に感動したのは、京都市美術館の歴史をたどれる地下展示。
昭和8年竣工までの、公募設計図案や、建築風景など、こんなすばらしい記録を見られるとは!!!
京都アンデパンダ展の変遷もスライドショーで楽しむ。
筆者も1983年頃京都アンデパンダ展に出展した思い出があり、この素晴らしい歴史に関われた幸せを感じた。
現在芸大の卒業制作展も多く行われる京都市美術館だが、
若い作家にとってこの伝統ある建物での経験は、何物にも代え難い宝物になるはずだ。

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さらに、普段は閉じられている2階テラスにも特別に出られる。
どころか、今回の為に椅子や踏み台(テラスの囲いが高くて外の景色が見づらいため)も設置し、
たてものとしても大いに楽しんでもらおうという制作側の意図が伺える。
東山方面の景色も見ながら、建物の装飾にも目を向けよう。

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楽しむと言えば、東側庭に通じる出入り口も開放。
なんと特設のカフェとワインバーができていた。
歩き疲れた体と目を休ませる場所が、暗いロビーでなければいけないはずはない。

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日本庭園を見ながら珈琲を味わえるこの開放感!
こんな京都市美術館なら、建物を楽しむために季節の変わり目に何度も来たくなる!

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国際芸術祭の感想にしては横道に逸れるが、それにしてもパラソフィアをしてもらってよかった!とつくづく思う。
そう、改革しなければいけないのは作家ばかりではない。それを見せる側の意識改革も必要なのだ。

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近代建築をじっくり楽しめる美術館として大好きな場所であったが、
パラソフィアによって、さらにお勧めの場所と変身していることをお伝えします。

次回は、その他の会場をご紹介しますね。

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特設のミュージアムショップも楽しいよ。
1階のこのエリアは、チケットがなくても入れることは入れますが、
ぜひ展示会場もご覧ください。

posted by アートみて歩き at 17:10| Comment(0) | Sのみて歩き

2015年04月08日

アートみて歩き パラソフィア(1)

こんにちわ、Sです。

木津川アートマガジンも、2015年度バージョンになったところで、
久しぶりに、「アートみて歩き」を更新しましょう。

今回取り上げるのは、
京都国際現代芸術祭2015 PARASOPHIA(パラソフィア)です。

京都では、さまざまなアートイベントがあるので、何を今さらと思ってはいたのですが、
それでもとても楽しみにしていました。
前売りチケット¥1,400をゲットしつつ(当日券¥1,800)、京都市美術館友の会に協力したので、
なんと招待券をいただき、喜んでいいのやら、もったいなかったと後悔したり。
あ、いきなり脱線しました。

エリアは広いです。
ざっとマップをチェックしまして、自転車でまわろうと計画。
結果から言いますと、それでも全部回れず残りは後日としました。
会場は、

京都市美術館 京都府京都文化博物館 京都芸術センター 堀川団地

鴨川(出町柳) 河原町塩小路 大垣書店烏丸三条店 京都BAL

こう書いてあっても、京都市民でなければ分かりにくいですね。
そういう人はまず、京都市美術館に向かいましょう。


【京都市美術館編】
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いきなりウイリアム・ケントリッジの素描アニメーションに惹きつけられた。
デジタルに出せない優しい味に、初めから諸手をあげて熱中。

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倉智敬子+高橋悟の白い法廷と監獄は、京都市美術館ならではの、
歴史的建築が醸し出す空気がいい。
他の美術館と同じホワイトキューブの部屋なのに、なぜだろう。

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おっと、失礼!
パンティを下ろし、便座に座る女。

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石橋義正の「憧れのボディ/bodhi」は、ドラマチックである。
ドライに突き放そうとしているのか、それにしてはねちっこく絡みつく。
分からないままに、しかしある女性の一生に付き合っている自分がいる。
男女の格闘技のような身体表現ダンスは、いやはや目が話せなかった。


愛知トリエンナーレを観たとき、映像にことさら刺激を受けた記憶がある。
普段使わない思考回路が必要になってくるとき、なるほどとつぶやく。
これを感動というのか。アートなのか・・・。

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美しい作品もある。アリン・ルンジャーン作。

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ツァイ・グオチャン作。
熱心に集中して観察している子どもを見たとき、
なるべく自分をまっ白にして作品と向き合いたいと思った。

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調子にのって、写真を多くアップしてしまいました。
撮影は許されていますが、まだ鑑賞していない人のためにも
写真はこのくらいにして、
次回は、京都市美術館のたてものについて。

posted by アートみて歩き at 13:18| Comment(0) | Sのみて歩き

2014年05月14日

岡山のYです。関東方面へ行ってきました。

岡山のYです。
大変ご無沙汰しています。

このゴールデンウィークに東京に行ってきたので、報告します。

今回訪れたのは、東京都美術館東京都現代美術館メゾン・ド・エルメス
森美術館スパイラルエスパス・ルイヴィトン東京オペラシティーワタリウムの8か所です。

千葉県市原市で行われていた「いちはらアートミックス」も候補に挙がったのですが、都内で他にも見たいものがあったため時間が取れませんでした。Mさんの報告が楽しみです。

バルテュス、ウォホールなどビッグネームの展覧会が多い中、
今回の一番は、やはり東京都現代美術館の「驚くべきリアル〜スペイン・ラテンアメリカの現代アート」と「フラグメント」でした。

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前者は、スペインのカスティーリャ・イ・レオン現代美術館との共催、日本ではまだ無名に近い若手作家の作品が多かったのですが、タイトル通り、切実なリアリティーが感じられるスペインならではの展示に引き付けられました。
同時開催の「フラグメント」も日本の30代の若手作家の作品が殆どで、作品の繊細さ、発想の奇抜さに目を奪われました。

同館のチーフキュレーターである長谷川祐子は著作のなかで、
「現代美術館は、現実社会や日常に揺さぶりをかける場である。実際の施設や制度のなかに現実に存在しながら、人々を現実から運び去るのである」と語っています。

まさに、その言葉どおりの空間がそこにはありました。

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今回最後に訪れたのは、東京オペラシティーギャラリー
ここで開催されていたのが、「石川コレクション」展です。

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石川さんとは、岡山に本社を置くアパレルメーカーK社の社長のこと。
プライベートコレクションならではの拘りのある内容でしたが、残念ながら運び去られ感は、
少なかったです。彼は、数年後に、岡山市内に現代美術館を作ると公言しています。
どんな美術館になるのか、その展示がどんな感覚を我々に与えてくれるのか、今から楽しみです。

実は今回の東京行き、もう一つ大きな楽しみがあったのです。

毎年GWに開催されている音楽イベント「ラ・フォル・ジュルネ」です。
有楽町の国際フォーラムがメイン会場で、3日間昼夜なくクラシック(現代音楽含む)コンサートが、
開催されるという内容で、全部で6つの公演を堪能しました。

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会場の外で催される無料コンサートに加え、洒落た屋台も数多く出店するなど、会場一体が、
祝祭ムードに彩られ、ここでも日常では味わえない、運び去られ感に酔いしれることが出来ました。

今年も、横浜トリエンナーレ、初開催の札幌国際芸術祭と行きたいアートイベントが盛りだくさん。
また、報告したいと思います。


posted by アートみて歩き at 17:43| Comment(0) | 岡山在住のYの見て歩き