2015年07月29日

【Art Trail アートトレイル2015】(1)

Sです。
こんにちわ。

この春にイギリスでさまざまなエキシビションを観てきました。
何回かに分けてお伝えしていきますね。


【Art Trail アートトレイル2015】(1)

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私が最初にアートトレイルをみたのは、2008年でした。
イギリスの農家の庭の写真を撮らせてもらっていたとき、
ギャラリーに改装したその家の農具小屋で、絵画や工芸品を展示&即売をしている場面に遭遇しました。
とってもすてきでした。

家に帰って「Art Trail」を調べましたら、ヨーロッパを中心に広まっている企画でした。
ブリストルに住む友人も、「私たちの町でもしているわ」と言っていましたから、
まちを利用したアート展示は、日本に限らずポピュラーになってきている流れを感じました。



車や自転車で旅をしながらアート作品を観て回る・・・というコンセプトに、
このイギリスの地方でもぴったり合っていました。

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「アートトレイル」の出会いが、「木津川アート」を提案したことのきっかけでしたが、
あれから7年、木津川アートも6年目を迎えました。

8回目を迎えたこの地方(South & West Wiltshire)のアートトレイルを
今回、久しぶりに廻ってみました。


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このようにまわりは牧草地や畑ばかりの地方です。
アバウトなマップと、この小さな黄色い看板が目印。
探し出す楽しみも、アートトレイルならではの醍醐味と言えます。


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道に広告看板がほとんどない田舎の風景に、独自に作られた看板は目立ちます。
でも、こういう例はマレで、ほとんどは小さな黄色い看板が目印です。




展示会場がどんなたてものを利用しているかといいますと、
この地方では、農家の倉庫が多かったです。


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茅葺きの築400年の古民家では、台所を展示会場にしていました。



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元宣教師舘を自宅&アトリエに改装したスタジオ。



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「ビレッジホール」いわゆる公民館。



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こちらも同じく公民館。



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駅前にある元パブ。
落ち着いた色に塗装し直したり改修して、
作家はこの2階を借りて生活しているとのことでした。



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町(と言っても、パブと数件のお店が並んでいるだけの村の中心部だけど)の
インテリアショップも、今回展示会場でした。



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見た目は綺麗ですが、こちらも築何百年という馬小屋。後ほど紹介します。



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自宅ガレージというのもありました。



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圧巻だったのが、農家の農具小屋。
きっと大型農機を入れていたのでしょう。扉も通常の2倍はあるほどの天井の高さ。
それ以外の倉庫も感じよくギャラリーにしていました。


次回は作品展示模様をお伝えします、
つづく・・・・。


posted by アートみて歩き at 17:01| Comment(0) | Sのみて歩き

2015年07月03日

「カオスモス・ペインティング」中島麦

Sです。
久しくお休みしていましたが、またこのページも少しずつ更新していきます。
よろしくです。

さて、今回は、ある作家さんの個展を取り上げました。
美術ライターの小吹隆文さんが、フェイス・ブックで「おもしろい」という感想を載せられていたのが心に残っていたのです。

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場所は、大阪市中央区千日前の画廊 編・ぎゃらり かのこ。
作家は、中島麦さん。はならあと参加作家さんでもあります。

実は、この展示会場の環境こそが、作品を構成する大きな要因であることを、作品を観ながら少しずつ感じていくことになります。

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1階の展示スペースを見た後、靴を脱いで2階に行くと、そこにはシンプルな床の間を持った日本間が。良くあるパターンと思いながら秩序ある正方形を鑑賞していくと・・・・。

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窓の外の風景も当然気になります。この赤と黄色のえげつない壁面はパチンコ屋。ここは、ミナミの繁華街千日前のど真ん中。かのこさんのような町家こそ、今は異端児だということに気が付きます。窓の桟に仕切られた赤い壁面は、無秩序の風景ながら、麦さんの作品のごとく整然と目に映るのですから面白い。

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なつかしいタイルの洗面所などを見ながら階下に降りると、かのこのオーナー中島由記子さんがギャラリー以外の展示場所を説明してくれました。

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ギャラリー前の細い道を挟んで、お向かいのビルの入り口に作品。寂れた飲み屋街の薄汚れた路地など、誰が覗くでしょうか?麦さんの作品を観る視線に、否が応でも目に入ってきます。

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この作品もギャラリーの向かい側の壁面。麦さんを知らない人は、はやり通り過ぎることでしょう。

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こちらはパチンコ屋の1階部分の塀。同じく真っ赤に塗られた中に作品。作品が少しずつまちに飛び出していくのです。混沌としたまちと言うなら千日前はおてのもの。そして作品はその中で活き活きと存在していました。

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かのこのオーナー中島由記子さんに説明を受けて、すぐ近所の駐車場の中の作品も鑑賞。車の赤も、何かの印である黄色いラインも、作品とは関係ない世界で存在しているのに、作品が置かれることでまるで意味があるように思ってしまう。なんとも不思議な感覚です。中島由記子さんのおっしゃるには、地域の人はこうした試みを快く受け容れ、壁を掃除したり、「もっと早く言ってくれたら、もっと協力できたのに」とおっしゃってるそうです。

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ここは、ギャラリー横のファッションヘルスの入り口入ったところ。「女の人は入りにくいでしょうが、よかったらどうぞ見てください」と言われましたが、確かにドキドキしながら店内に足を踏み入れ、写真を獲りました。絵を鑑賞することよりも、ファッションヘルスを出たり入ったりする自分をおもしろがっている方が強いかも知れません。この他おはぎ屋さんの店内など、およそ「現代アートなにさ」という繁華街にあって、この展開はおもしろい。まるで農家で行う地域の芸術祭と同じような科学反応がこの地でもおこった、ということです。店先前をホースで水まきしていたファッションヘルスのお兄さんと、ギャラリーのお上品なオーナーとが、麦さんの作品によって、今まで以上に良い関係になったとしたら、それを「アートの力」と言うのでしょうか。

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たった一人の個展ではありましたが、地域を巻き込んだ中島麦さんの目論見はストレートに胸に響きました。「さまざまな事象で対比させるこの試みが、ある意味での2つをつなぐメディウムになるのではないか。」麦さんは、こうリーフレットで締めくくっていました。

posted by アートみて歩き at 15:11| Comment(0) | Sのみて歩き

2015年04月10日

アートみて歩き パラソフィア(3)

「アートみて歩き」は、開催後の報告を基本していますが、
できれば京都府の芸術祭を多くの京都府民に5月10日までに見て欲しいと思います。

パラソフィア、京都市美術館以外の会場についてお伝えしましょう。


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【堀川団地(上長者町棟)】

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水色の基本カラーが目印。堀川通り沿い。見過ごさないように。

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1953年建築の「店舗付き集合住宅」の内部を見られるのも嬉しいもの。
最近は、リノベーション+アーティスティックな生活ということで注目されている。

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ピピロッティ・リストの作品は、欧米人の目には確かに視覚的におもしろい世界に映るかもしれないが、
そう取り立てて奇抜なものではなく、
ただ、この堀川団地商店街の布団屋でこの布団を購入したところに、傾向&対策が見える。
京都に住む外国人や若者にとって、こういう環境が刺激的であることを再確認。

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店舗空間でも展示あり。
パフォーマンスがない間はうまく伝わらなかった。



【鴨川デルタ(出町柳)】

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エリアがポツンと離れているのがここ。よくわかっている場所のはずが迷った。
目印は水色のはずだが、デルタを橋の上で鑑賞するのか、河原まで下りるのか。
もたもたしている間に、何か音が流れ、数分で終わった。
仕方がないのでここだろうと思われる河原に腰を下ろし、次の音楽が流れるまでの30分待った。

鴨川の流れる音。川で戯れる人々の歓声。車の音。
それらを凌駕する、女性の歌(スコットランド民謡など)が大きな範囲に3方向から流れる。
天の声か、空耳か、何が起きたのかとキョロキョロする人も。
しかし、何事もなく水遊びに熱中する人々を眺めるのもおもしろい。
百聞は一見にしかず。その耳で、その五感で味わって欲しい。

0分と30分ごとに流れる。ご注意を。




【京都府京都文化博物館 別館】

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森村泰昌の作品は、2年前に東京の銀座、資生堂ギャラリーで観たのと同じだと思うのだが、
なので、作品をどう展示しているか、を鑑賞する。

今回2階も展示会場となっている。これにはワクワク。
上映されたオペラ「オテロ1887」は、訳も分からず2回観た。


     
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その他、京都芸術センター、京都BAL、大垣書店、河原町塩小路周辺など、チケットも要らない自由鑑賞できる会場もあります。

浅田彰さんが、酷評とも言えるreviewをREALKYOTOに掲載しています。
大筋同意見なのですが、それでも、京都府民なら観ておくべきだと思うのです。
国際芸術祭が日本中で行われている中、だんだん評価は厳しくなっていくとして、その積み重ねの先を諦めてはいけないから。

京都アンデパンダ展のスライドショーを観ながら思ったのは、
こうした積み重ねが、人を育てて、まちを育てているというあたりまえのこと。
伝統だけの京都でなく、革新的な京都の復活を京都に数多(あまた)ある美術系大学生にも考えて欲しいなあ、
などと思った次第です。

おしまい。

posted by アートみて歩き at 16:26| Comment(0) | Sのみて歩き