2013年08月19日

フランシス・アリスに幻惑されて”Dazed and Confused”

岡山のYです。

今回は、5月と7月の2回訪れた東京都現代美術館で開催されていた
「フランシス・アリス展 メキシコ編・ジブラルタル海峡編」です。

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メキシコ編


フランシス・アリスは、メキシコ在住のベルギー人。
朝から晩まで、メキシコシティの街なかで巨大な氷を溶けるまで押し続けたり、
磁石が仕込まれたブリキの犬のオブジェを引きながら街をさまよい歩いたり、
とシュールな(?)パフォーマンスを詩的な映像作品にすることで知られる
アーティストです。

そんな彼の初期作品から新作までを、2期に渡って紹介する美術展でした。

1期目は、メキシコで制作した約15作品に焦点をあてて、これまでの活動を概
観するような内容で、路上で寝ている犬や人を延々撮り続けたものや、模造銃を
持って街中を歩き回り、警官に取り押さえられてしまうという過激な内容のもの
もあり、と多彩な映像作品が盛りだくさん。

2期目は、アフリカとヨーロッパを隔てるジブラルタル海峡で行った大規模なプ
ロジェクトを多面的に紹介。移民問題を背景に、スペインとモロッコの子供たち
とともに想像力をもって二つの大陸に橋を渡すという試みを映像、模型、ドロー
イングを通して紹介しています。


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《川に着く前に橋を渡るな》


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図録の表紙


今回見たどの作品もドキュメンタリーに近い、一見地味なものと言えるかも知れません。
しかし、すべての作品にじわじわと人を惹きつけて止まない強い力があるのです。それ
が、題材、カメラワーク、編集力どこからくるのか・・・よくわかりません。でも、なんか凄い!

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展覧会のフライヤー

特に印象に残ったのは、フライヤーにも使われている「トルネード」を題材に
した作品。フランシスが手持ちのビデオカメラで、ただただ砂塵巻き上げる竜
巻の中に何度も突っ込んで行く、ただそれだけなのですが、映像と音声による
臨場感が半端ない。生々しいけれど非現実的というか・・・

真っ暗な会場の中、フロアに敷かれたマットレスの上に寝転がりながら、幻惑
される快感に身をゆだね、非日常の世界に浸る貴重な時間を過ごしました。

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8月になって訪れた広島市現代美術館の「サイトの記憶、場所の力」展でも、
彼の作品を1点だけ見ることができました。10才前後の男の子二人が、
赤いリールを転がしながら街のなかをただただ駆け抜けて行く。
そんな作品でした。

実は、10月26日から広島市現代美術館で巡回展が始まるのです。2期分を
合体させた内容のようで、ぜひ、また見に行きたいと思っています。

フランシス・アリスのHP
http://www.francisalys.com/



次回は、東京都写真美術館で開催されていた「マリオ・ジャコメッリ写真展」
の予定です。

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posted by アートみて歩き at 17:32| Comment(0) | 岡山在住のYの見て歩き

2013年08月16日

はじめまして! 岡山のYです。

はじめまして! 岡山のYです。

瀬戸内芸術祭夏バージョン真只中ですが、あまりの暑さになかなか出かける
元気が湧いてきません。
そこで、今春以降東京で見た展覧会から琴線に触れたものを順次紹介していきます。

まずは、6月までワタリウムで開催されていた『JR展 世界はアートで変わっていく』。
いきなり被災地東北で撮影されたポートレートが、美術館の外壁一面に。

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JRは、世界中のストリートに巨大な写真を貼ることで、地域や社会が内包している問題を
提起しているフランスの若手アーティスト(なんと29才!)。2011年のテッドプライズ受賞を
きっかけに、一躍有名になりました。

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美術館の2〜4階には、彼が今まで手掛けたプロジェクトの様子が、写真と映像でズラリ。
なのですが、残念ながら写真撮れませんでした。

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1階には、写真撮影用のブースがあり、プリントされた自分のポートレートが吹き抜けの
天井から舞い降りてくる仕掛けが。
写真はJRのホームページで公開されるだけでなく、持ち帰ったポートレートを屋外で
撮影し投稿することもできます。

こうした取り組みを全世界で行っているらしいのです。

※展覧会の様子、投稿画像などはワタリウムのHPで紹介されています。
http://www.watarium.co.jp/exhibition/1302JR/index_e.html

彼は、テッドプライズの受賞スピーチでこんなことを話しています。

「アートは世界を変えます。アートは、直接的に物事を変えるわけではありませんが、
ものの見方を変えます。アートが変えるのは世界の見方です。」

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そのコンセプトも素晴らしいのですが、何よりその作品(景色?)の美しさに心を奪われます。
これは詩的な美しさを湛えた本物のアートです。

ところで、折れないように大事に岡山に持ち帰ったポートレート(80cm×120cmが2枚)は、
ストリートデビューすることなく、自宅の物入れに今も大切に保管されていますw

JRのHP
http://www.jr-art.net/

次回は、東京都現代美術館で開催中の「フランシス・アリス展」の予定です。

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posted by アートみて歩き at 18:07| Comment(0) | 岡山在住のYの見て歩き