2014年05月14日

岡山のYです。関東方面へ行ってきました。

岡山のYです。
大変ご無沙汰しています。

このゴールデンウィークに東京に行ってきたので、報告します。

今回訪れたのは、東京都美術館東京都現代美術館メゾン・ド・エルメス
森美術館スパイラルエスパス・ルイヴィトン東京オペラシティーワタリウムの8か所です。

千葉県市原市で行われていた「いちはらアートミックス」も候補に挙がったのですが、都内で他にも見たいものがあったため時間が取れませんでした。Mさんの報告が楽しみです。

バルテュス、ウォホールなどビッグネームの展覧会が多い中、
今回の一番は、やはり東京都現代美術館の「驚くべきリアル〜スペイン・ラテンアメリカの現代アート」と「フラグメント」でした。

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前者は、スペインのカスティーリャ・イ・レオン現代美術館との共催、日本ではまだ無名に近い若手作家の作品が多かったのですが、タイトル通り、切実なリアリティーが感じられるスペインならではの展示に引き付けられました。
同時開催の「フラグメント」も日本の30代の若手作家の作品が殆どで、作品の繊細さ、発想の奇抜さに目を奪われました。

同館のチーフキュレーターである長谷川祐子は著作のなかで、
「現代美術館は、現実社会や日常に揺さぶりをかける場である。実際の施設や制度のなかに現実に存在しながら、人々を現実から運び去るのである」と語っています。

まさに、その言葉どおりの空間がそこにはありました。

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今回最後に訪れたのは、東京オペラシティーギャラリー
ここで開催されていたのが、「石川コレクション」展です。

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石川さんとは、岡山に本社を置くアパレルメーカーK社の社長のこと。
プライベートコレクションならではの拘りのある内容でしたが、残念ながら運び去られ感は、
少なかったです。彼は、数年後に、岡山市内に現代美術館を作ると公言しています。
どんな美術館になるのか、その展示がどんな感覚を我々に与えてくれるのか、今から楽しみです。

実は今回の東京行き、もう一つ大きな楽しみがあったのです。

毎年GWに開催されている音楽イベント「ラ・フォル・ジュルネ」です。
有楽町の国際フォーラムがメイン会場で、3日間昼夜なくクラシック(現代音楽含む)コンサートが、
開催されるという内容で、全部で6つの公演を堪能しました。

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会場の外で催される無料コンサートに加え、洒落た屋台も数多く出店するなど、会場一体が、
祝祭ムードに彩られ、ここでも日常では味わえない、運び去られ感に酔いしれることが出来ました。

今年も、横浜トリエンナーレ、初開催の札幌国際芸術祭と行きたいアートイベントが盛りだくさん。
また、報告したいと思います。


posted by アートみて歩き at 17:43| Comment(0) | 岡山在住のYの見て歩き

2013年11月08日

瀬戸内国際芸術祭「秋編」

岡山のYです。

夏は、あまりの暑さに足が遠のいていた「瀬戸芸」。
涼しくなってきたので、10月中旬に、粟島・高見島+豊島に行って来ました。

粟島・高見島は、今回初開催の会場。
香川の多度津港から高見島経由で船を乗り継ぎ、粟島へ渡ります。

港に着くと島をあげての歓迎ムード。
アート作品に辿り着くまで、出店が賑やかで、気分も盛り上がります。
主な会場は、廃校になってしまった海員学校、小中学校などの公共施設で、
どの会場も規模が大きく、見応えがあります。

写真は、特別参加のカモイ加工紙が手掛けた小学校。
廃校になってしまった学校の教室に鮮やかなmt(マスキングテープ)が
貼りめぐらされ、ショップも大賑わいでした。

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そんな中、粟島で印象に強く残った作品は二つ。

一つは、古民家のガラス戸を使った佐々木類の「Subtle Intimacy」。
暗い室内の畳の上に座って鑑賞する作品で、訪れた時は、部屋の片隅に作家が居て、
作品の解説を聞くことが出来ました。
小声で後ろから突然話しかけられたので驚きましたが、作品を目の前に真近に本人と
話ができるのもアートイベントの醍醐味です。

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もう一つは、使われなくなった郵便局を新しい形に再生したみせた久保田沙耶の作品。
「漂流郵便局」というタイトルで、中で迎えてくれたのは、この郵便局の元局長さん。

懐かしい未来への郵便物を配達とするというコンセプト、その発想とそれを形にする
手腕に感銘。想い出に残る人や失くしてしまった物など、届け先のわからない手紙を
受け付けてくれる郵便局で、行く宛のない差出人の想いが、流れ着くようにこの郵便
局に集まってくるというもの。
会場では、チラシに局長が消印を押してくれるという趣向もあり、得も言われぬ郷愁を
感じさせる作品でした。

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昼からは、また、船に乗り、隣りの島、高見島へ戻ります。
お椀を被せたような形の島で、平地部分が少なく、坂道の急なことといったら
半端ではなく、坂の登り口に竹製の杖が用意してあるほど。

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息を切らせながら坂を登り切り、しばらく歩くとカフェ「海のテラス」へ。
辿り着くまでがしんどかった分、眼前に広がる瀬戸内の景色の美しさは格別で、
その素晴らしさに浸り切ることができました。

数々のアート作品もさることながら、普段は当たり前に見ている風景を
こうして切り取ってみせてくれる。これこそが、この芸術祭の肝かも知れません。


日を改めて、今度は、3年前にも訪れた豊島を再度訪問しました。
お目当ては、マイク+ダグ・スターンによる「Big Bambu」や永山祐子による
豊島横尾館など。この島では、基本バスを乗り継いで島内に点在する作品を巡ります。

「Big Bambu」は、1回8名限定のガイドツアーのため、まず、整理券をもらいに
作品近くの受付まで行かねばなりません。
9時半に受付に着いて、14時半の整理券をなんとかゲットできました。

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受付の近くにある作品「かがみ〜青への想い」などを見た後、時間が空いたので、
3年ぶりに豊島美術館へ。

今回は館内滞在時間の制限がなく、心ゆくまで異空間の佇まいをじっくり堪能する
ことができました。
「雨の日もまた、別の趣があって素晴らしい」との情報を得たので、
また、機会があれば訪れたい・・・。 そんな思いに駆られました。

午後からは、また、バスを乗り継いで「Big Bambu」の受付へ。
竹を編んで作った通路を登り、15mを超える高さにある展望台へ上がると
このような景色です。数千本の竹を使ってできた作品は、見事! というしかありません。

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写真は、家浦港の宇野港(岡山)行き旅客線乗り場、夕方の様子です。
一行は、どうやらチューリッヒからのツアー団体のようで、
ドイツ語が飛び交うなか、ヨーロッパのリゾート地に遊びに来ているかのような
錯覚に捉われました。


彼らの目に瀬戸内の風景やアートが、どのように映ったのか。
残念ながら、聞く勇気と語学力はありませんでしたが、
満足げな表情から読み取れる感動は、我々日本人と同じかそれ以上のように感じました。

3年後の「瀬戸芸」も楽しみです。

posted by アートみて歩き at 18:30| Comment(0) | 岡山在住のYの見て歩き

2013年09月26日

あいちトリエンナーレ2013(Yバージョン)

Yです。
9月14日〜16日 あいちトリエンナーレ2013に行って来ました。

名古屋には、2010年のトリエンナーレ以来なので、3年ぶり。
前回は、本会場のアートに加えて、ヤン・ファーブルの演劇、コンタクトゴンゾのパフォーマンス、豊田市美術館の石上純也展と恐ろしく充実していたので、今回はどうなんだと期待を抱きながら出かけました。

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まずは、豊田市美術館「反重力展」に。
エルネスト・ネト、内藤礼、レアンドロ・エルリッヒなど現代アートのビッグネームが名を連ねた展覧会なのですが、以外と小粒な作品が多く軽やかでサラリとした印象。テーマが反重力だからかと無理やり納得した次第。


午後からは、トリエンナーレのメイン会場、愛知芸術文化センターへ。

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今回のテーマである「大地が揺れる」のテーマが、一番わかりやすい形であらわれていた会場。印象に残ったのは、コーネリアス・パーカー、フィリップ・ラメットなど。合唱好きの妻は、前に大阪で見ていたにも関わらず、またまた「40声部のモテット」にはまっていたようです。

お決まりのnadiffでアート雑誌を物色した後、夕方には、Mさん、Sさん絶賛の納屋橋会場へ。
3階フロア全体を使った名和晃平の「FOAM」には、素直に感動。大胆でありながら、繊細さ、儚さを感じさせる作品でした。

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2階には、映像作品を中心とした様々な作品が。移民の音楽家をテーマにした「シティズンズ・バンド」、老人合唱団?による「地底からの音」など、海外アーチストの作品が、どれも素晴らしい。
そんな中、何故か、世界を救おうと空しい努力を続ける「スーパーバーバラ」が、愛おしく感じられました。この作品は、芸術文化センター、名古屋市美術館、長者町にも展示されていて、各会場を繋ぐ役割も担っていたようです。

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翌日、まず訪れたのは、名古屋市美術館。青木淳、アルフレッド・ジャーなど会場を大胆に使った作品が多い中、野外にあったのが、藤森照信の「空飛ぶ泥舟」とブラスト・セオリーの「私が残りの人生でやろうとしていること」。
泥舟は無邪気に楽しめたし、セオリーのタブロイドを使った作品の見せ方に新たな可能性を感じました。

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午後訪れた長者町会場では、奈良美智のグループが手掛けたカフェで、ほっこり。
台風前の蒸し暑さにもめげず、全会場回りました。

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最終日、朝から東海地方は台風直撃で大荒れ。高速道路が軒並み通行止めで、泣く泣く岡崎会場はあきらめ、デパ地下では名古屋の旨いもの、HMVではCDを買いまくり、午後には岡山への帰路につきました。


今回のトリエンナーレ、震災後の開催ということもあり、前回とはまた趣の異なる内容で、
直接的に原発や震災を題材にした作品も多く、重苦しい気持ちにならざるを得ない場面もありました。
そうした中、今回納屋橋会場で見た片山真理の作品には、強い衝撃を受けました。
Sさんも後を引く作品だったと紹介されていましたが、病気で両足を切断したにも拘わらず、
アーチストとして自身の身体的な特徴を題材にしながら作品を生み出し続けているのです。

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実は、8月下旬に訪れたベネチアでも、テーマが似通った作品を目の当たりにし衝撃を受けました。写真は、イギリスのアーチスト、マーク・クィンの作品で、モデルになっているのは、同じくイギリスのアーチスト、アリソン・ラッパーです。高さ11mという大きさもあり、
歴史ある教会を背景に異彩を放っていました。

彼女は、アザラシ肢症と呼ばれる身体的特性を持ってこの世に生まれてきましたが、絵筆を口にくわえて絵を描くという方法で、身体障害が芸術的、美的なものであり得る可能性を感じて欲しいという思いを持って、自身をモチーフにした作品を作り続けています。

マーク・クィンも「歴史的に、障害者の不能性は常にネガティブに表象されてきた。そうでないポジティブな表現をすることには意味が有ると信じる。」と語っています。

同時期に、2つの作品を通してアートの力を体感できる、そんな旅になりました。


posted by アートみて歩き at 16:42| Comment(0) | 岡山在住のYの見て歩き