2015年07月03日

「カオスモス・ペインティング」中島麦

Sです。
久しくお休みしていましたが、またこのページも少しずつ更新していきます。
よろしくです。

さて、今回は、ある作家さんの個展を取り上げました。
美術ライターの小吹隆文さんが、フェイス・ブックで「おもしろい」という感想を載せられていたのが心に残っていたのです。

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場所は、大阪市中央区千日前の画廊 編・ぎゃらり かのこ。
作家は、中島麦さん。はならあと参加作家さんでもあります。

実は、この展示会場の環境こそが、作品を構成する大きな要因であることを、作品を観ながら少しずつ感じていくことになります。

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1階の展示スペースを見た後、靴を脱いで2階に行くと、そこにはシンプルな床の間を持った日本間が。良くあるパターンと思いながら秩序ある正方形を鑑賞していくと・・・・。

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窓の外の風景も当然気になります。この赤と黄色のえげつない壁面はパチンコ屋。ここは、ミナミの繁華街千日前のど真ん中。かのこさんのような町家こそ、今は異端児だということに気が付きます。窓の桟に仕切られた赤い壁面は、無秩序の風景ながら、麦さんの作品のごとく整然と目に映るのですから面白い。

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なつかしいタイルの洗面所などを見ながら階下に降りると、かのこのオーナー中島由記子さんがギャラリー以外の展示場所を説明してくれました。

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ギャラリー前の細い道を挟んで、お向かいのビルの入り口に作品。寂れた飲み屋街の薄汚れた路地など、誰が覗くでしょうか?麦さんの作品を観る視線に、否が応でも目に入ってきます。

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この作品もギャラリーの向かい側の壁面。麦さんを知らない人は、はやり通り過ぎることでしょう。

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こちらはパチンコ屋の1階部分の塀。同じく真っ赤に塗られた中に作品。作品が少しずつまちに飛び出していくのです。混沌としたまちと言うなら千日前はおてのもの。そして作品はその中で活き活きと存在していました。

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かのこのオーナー中島由記子さんに説明を受けて、すぐ近所の駐車場の中の作品も鑑賞。車の赤も、何かの印である黄色いラインも、作品とは関係ない世界で存在しているのに、作品が置かれることでまるで意味があるように思ってしまう。なんとも不思議な感覚です。中島由記子さんのおっしゃるには、地域の人はこうした試みを快く受け容れ、壁を掃除したり、「もっと早く言ってくれたら、もっと協力できたのに」とおっしゃってるそうです。

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ここは、ギャラリー横のファッションヘルスの入り口入ったところ。「女の人は入りにくいでしょうが、よかったらどうぞ見てください」と言われましたが、確かにドキドキしながら店内に足を踏み入れ、写真を獲りました。絵を鑑賞することよりも、ファッションヘルスを出たり入ったりする自分をおもしろがっている方が強いかも知れません。この他おはぎ屋さんの店内など、およそ「現代アートなにさ」という繁華街にあって、この展開はおもしろい。まるで農家で行う地域の芸術祭と同じような科学反応がこの地でもおこった、ということです。店先前をホースで水まきしていたファッションヘルスのお兄さんと、ギャラリーのお上品なオーナーとが、麦さんの作品によって、今まで以上に良い関係になったとしたら、それを「アートの力」と言うのでしょうか。

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たった一人の個展ではありましたが、地域を巻き込んだ中島麦さんの目論見はストレートに胸に響きました。「さまざまな事象で対比させるこの試みが、ある意味での2つをつなぐメディウムになるのではないか。」麦さんは、こうリーフレットで締めくくっていました。

posted by アートみて歩き at 15:11| Comment(0) | Sのみて歩き
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